Can we smile at this bottomless blue sky?
 
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野蛮であるということは、優れたものを認めないということである。
JUGEMテーマ:むかしのはなし。
  
 
 
桜が散って、
アサガオの観察が終わって、
ヒマワリが萎れて、
コスモスの種を植えて、
夏が終わった。
そんな頃だった。

校舎の2階から見える景色は、どこまでも限られていて、その日もやっぱり同じだった。
ぼんやりとしか見ることのできない左目で、ぼんやりした風景を眺め続けていたのが私で、そんな私を叱るのがM先生だった。
その日の議題は、学校にやってこなくなった【Tくん】について。だった。



◆警告!!

この先の一部には、差別的表現が含まれています。



 



Tくんは決して喋らない男の子でした。
喋れないのではなくて、喋らないのです。つまり、Tくんの【心の問題】。というやつ。
Tくんは決して喋らなかったけど、とっても陽気な男の子でした。
決して喋らないから、いつもジェスチャーで。いつもニッコニコの笑顔で。
だから、ある学年の一部の人に、【標的】にされてしまった。というやつ。
所謂、【害児扱い】。というやつ。


波紋は既に拡がりきっていて、教室の片隅には教頭先生が立っていたりして。
だからみんな縮こまってしまって、静かすぎる教室。そんな感じで、終業のチャイムが鳴り響いてしまったり。それでも終わらなかったりした。


仲の良いクラスだった。
私たちはTくんを【障害児扱い】なんてしてなかった。Tくんを卑下することもなかったし、特別扱いもしなかった。だから思った。
このクラスだけで、しかも教頭先生の監視下の中で話し合っても無駄だ。って。
そう思ったけど、やっぱり何も言えなかった。そんな雰囲気じゃなかった。そんな、子どもと大人の距離。みたいなものを、すごく思った。
でも、
その中間にいるのがM先生だったりした。

【大人】のくせに、すっごく近い。

それがM先生だったりした。
私たちは黙り続けていた。
M先生の言葉を待っていた。
答えを見つけられないのではなくて、もうわかっている、決まっている【その答え】。を、うまく言葉に表現するには、それを実行するための手段の選択が、その頃の私たちでは、ちょっと難しすぎた。だから私たちはM先生の言葉を待っていた。というよりも、そんな私たちの気持ちをM先生に【託して】いたのかもしれません。教職に就いて2年と半年の【先生】に。


もうみんな、わかっていたのです。
このクラスみんなで、Tくんのためにできることを見つけたかったのです。それだけだったのです。でも、その方法が、わからなくって…。
M先生は言いました、

「みんなで手紙を書こう」

って。
そして原稿用紙が配られました。





M先生の棺が霊柩車に乗せられる風景の中で、やっぱりTくんは、声を出さずに泣いてました。
静かに泣いてました。
普通に喋ることができて、普通に泣くことができるのに、どうすればいいのかわからなくて何も出来ずにいる自分が、恥ずかしくなるくらいに、Tくんは静かに泣いていました。



teacher M … comments(0) -
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